“人民英雄”になった胡錦濤…朝日社説のプロパガンダ (東アジア黙示録より)

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東アジア黙示録  
“人民英雄”になった胡錦濤…朝日社説のプロパガンダ 2010/10/12 00:13

虐殺五輪前から激化した中共の政治弾圧が、劉暁波氏のノーベル平和賞に繋がった。シナ人の悲願を叶えたのは胡錦濤だ。そして21年前、「平和賞が泣く」と糾弾した朝日新聞は、論調を豹変させた。
(略)
【平和賞の政治利用を糾弾する朝日社説】
「中国の反発は予想されたことであり、全世界がこぞって祝福する授賞にならなかったのは残念である。平和賞があまりに政治的になり、対立を助長することにもなりかねないことに違和感を持つ人も少ないない」

朝日新聞は社説で「平和賞の名が泣く」と猛批判した。これは平成元年10月7日の社説だ。ダライ・ラマ14世法王猊下ノーベル賞を受賞した際のものである。

今、読み返しても異様な社説だ。平成元年の秋は、ラサ大虐殺から半年で、欧米を中心に中共批判の声が止まず、猊下への平和賞授賞は絶賛されていた。その中で朝日新聞は事実を歪曲して罵声を浴びせた。

ところが、今回の劉暁波氏の受賞では一転して、絶賛する立場に回った。受賞決定翌日、10月9日付けの社説。そのタイトルは「平和賞-中国は背を向けるな」だった。

「民主主義や人権を大切にしてこなかった中国の指導者に、痛烈なメッセージが突きつけられた」
「委員会は中国側の圧力に屈しなかった。高く評価したい」

なぜ、主張が180度も違うのか…文章からは、全く読み取ることが出来ない。2人の立場は異なるが「長年にわたる非暴力的な闘争」をノーベル賞委員会が評価し、授賞理由に挙げたことは一致している。
論調一変の根底にあるのは、朝日新聞の卑劣な民族差別だ。

中共政治弾圧の深刻な犠牲者】
2つの社説の差は、平成元年当時、朝日新聞中共当局からネジを巻かれ、プロパガンダを垂れ流していた事実を証明するものだ。天安門事件の4ヵ月後でもあり、当時中共は完全に世界から孤立していた。

「だからこそダライ・ラマ陣営にも望みたい。今度の受賞を機に、対決ではなく、和解のために、流血ではなく和平のために、力を発揮することを」

平成元年の社説は、そう結ぶ。まるで猊下が“暴動の首謀者”であったかのような表現だが、これは中共の宣伝方針そのままだ。忠実なプロパガンダ紙として機能していたのである。

朝日新聞の記者も購読者も2つの社説を並べて、検証すべきだ。「背を向けるな」という忠告は、そっくり朝日新聞にお返しする。では、今回は中共プロパガンダ紙として役割を果たしていなかったのか?

20年以上前は、読者が報道内容を検証する手段が限られ、捏造記事も書き放題だった。平成元年の社説にある「全世界がこぞって祝福しなかった」という部分は単純な嘘だ。

実際に猊下ノーベル平和賞受賞を祝わなかったのは、中共とそのシンパだけだった。劉暁波氏の受賞に対する現在の中共側の反発と全く同じである。こうした捏造は、現代ではさすがに難しい。

それ以前に、朝日新聞が伝える「人権問題」には一定のスタンスがある。朝日新聞がシナの人権問題を完全に無視しているとは言い切れない。発作的に関連記事が掲載される。

しかし、チベット東トルキスタンなど植民地の弾圧では、中共を擁護して捏造記事を流すのが特徴だ。2年前のチベット大虐殺や昨年のウルムチ大虐殺では、徹底して銃を突き付ける側に回り、ジェノサイドを正当化した。

劉暁波氏に対して欧米諸国は早期釈放を求める政府見解を示した。それは正しい主張だが、劉暁波氏の身の安全は確保されている。直ちに救うべきは、不当拘束で拷問を受け、闇の中で消えていく植民地の住人だ。

チベットでは今も高僧や市民の不当拘禁が続いている。いわゆる「良心の囚人」に含まれない無名の人々への過酷な迫害と抑圧だ。ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は会見で、こう訴えた。

「今、中国での人権抑圧に目をつぶれば、世界での(人権の)基準を下げることに直結する」

朝日新聞は目を閉ざすどころか、人権弾圧を支援している。これは、媚中記事を垂れ流し、本当の人権抑圧を伝えることのない我が国の媚中メディアに向けられた強い警告だ。