『原発と温暖化―安全に、うまく使いたい』:朝日社説の大嘘「日本の原子力発電所の品質は国際的にも際だって低い」

http://d.hatena.ne.jp/oguogu/20090507/1241686162 酔っ払いのうわごと より
■[朝日新聞]いい加減な原子力への考え方

原発と温暖化―安全に、うまく使いたい
(cache) asahi.com朝日新聞社):社説 2009年5月6日(水)
http://s01.megalodon.jp/2009-0506-1200-13/www.asahi.com/paper/editorial20090506.html
全国の原子力発電所の08年度の稼働率が60%にとどまったと、経済産業省原子力安全・保安院が発表した。
 2年連続の低水準である。国際的にも際だって低い。米国や韓国、フィンランドのように90%前後の国もあるほか、独仏やカナダも、おおむね75〜80%を維持している。
 日本も90年代の半ば以降は80%を超え、98年度には84%にも達していた。
70%を切るほどに低迷するようになったのは、ここ5、6年のことだ。
 電力会社によるトラブル隠しの表面化や事故などで、各地の原発が止まったことが背景にある。<略>
 今年、原発の定期検査の間隔を、従来の13カ月から最大24カ月にまで広げることに道を開く新たな仕組みができた。
政府が安全性を認めた原発に適用される。

●『電力各社の品質管理の努力』 

によっては、諸外国なみの稼働率の実現も可能になる。
 ただ、原発の地元では、定期検査の間隔が開くことに安全面での不安も根強い。
電力各社は安全最優先の意識を改めて徹底し、事故やトラブルの防止に全力をあげてほしい。
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これは完全に逆立ちした議論です。
どうして日本の原子力発電所稼働率が低かったか、それは朝日新聞を始めとする反原発運動が過剰な苦労を電力会社にさせてきたからです。
『電力各社の品質管理の努力』という文面を見て笑ってしまったのは私だけでしょうか。
他の国は兎も角、韓国の原子力技術や品質管理が我が国より勝っていると思う人は少ないでしょう。
技術や品質管理が問題では無いのです。ひとえに反原発運動の活発さの如何によって稼働率に差が生まれるだと私は思います。

この社説でも『今年』から『従来の13カ月から最大24カ月にまで広げる』と書いていますけれど、諸外国では18ヶ月以上が一般的である事には触れません。
原子力発電所は、検査のためには1ヶ月もの間、運転を中止せざるを得ないのを御存知でしょうか。
原子力発電所は、動かせば動かすほどコストが下がります。そして、それは一人一人の電気代を安くする事にもなるのです。

老朽化した原子力発電所の検査まで24ヶ月間隔での検査にするべきとは言いませんけれど、新しい物は出来るだけ検査間隔を開けるべきではないのでしょうか。



 だが、そもそも原発の新たな立地が難しいことを考えると、原発にばかり依存していては日本の温暖化対策は進まない。

 社会や産業のグリーン化で温暖化に立ち向かうことを基本にしたい。長い目で見れば、自然エネルギーの拡大やエコカーの普及など、原発に頼らない低炭素化の充実が不可欠だ。



『そもそも原発の新たな立地が難しい』というのも、反原発派が危険をあまりにも煽った結果ではないのでしょうか。地震国日本に原子力発電所の最適地が少ないのは認めるとしても、柏崎原発は、あれだけの地震でも放射能漏れを極微量しか起こしませんでした。これから財政難に陥る地方自治体が多い事を考えると、新しい原子力発電所の立地場所を探すのは、そう難しくないのかも解りません。



しかし、反原発の人は自然エネルギーに過剰な期待を持ちすぎるのではないのでしょうか。自然エネルギーで一番問題なのは、安定性に欠ける事です。雨の日には太陽光は使えませんし、風が無ければ風力も使い物になりません。そして、その欠陥を防げる見通しは立ってないのです。

工場や銀行のコンピューター・システムなど安定した電力が欠かせない用途は幾らでもあります。朝日新聞は、利便性を捨てても自然エネルギーを使えというのでしょうか。



社説全文は以下



原発と温暖化―安全に、うまく使いたい

 全国の原子力発電所の08年度の稼働率が60%にとどまったと、経済産業省原子力安全・保安院が発表した。

 2年連続の低水準である。国際的にも際だって低い。米国や韓国、フィンランドのように90%前後の国もあるほか、独仏やカナダも、おおむね75〜80%を維持している。

 日本も90年代の半ば以降は80%を超え、98年度には84%にも達していた。70%を切るほどに低迷するようになったのは、ここ5、6年のことだ。

 電力会社によるトラブル隠しの表面化や事故などで、各地の原発が止まったことが背景にある。

 しかも新潟県中越沖地震の後、東京電力柏崎刈羽原発(全7基、計821万キロワット)が止まっていることが、稼働率を大きく引き下げている。

 このうち7号機は、連休明けにも新潟県知事が試運転を認める可能性があるものの、残る6基の再開にはそれぞれ慎重な検討が必要だ。

 原発稼働率が落ちることで不足する電力は主に火力発電で補われるため、二酸化炭素(CO2)の排出が増えてしまう。稼働率の低迷は、地球温暖化の防止の点から問題を抱えている。

 温室効果ガスの削減を先進国に義務づけた京都議定書で、日本は「08〜12年度の平均で90年比6%削減」という義務を負っている。それ以降の次期枠組みでは、さらに意欲的な削減目標を国際的に求められるだろう。

 原発は運転の際にCO2をほとんど出さない。さまざまな負の側面を抱えているとはいえ、こうした国際公約を達成するには、少なくとも当面の間は、安全性に配慮しつつ今ある原発を活用せざるをえない。

 今年、原発の定期検査の間隔を、従来の13カ月から最大24カ月にまで広げることに道を開く新たな仕組みができた。政府が安全性を認めた原発に適用される。電力各社の品質管理の努力によっては、諸外国なみの稼働率の実現も可能になる。

 ただ、原発の地元では、定期検査の間隔が開くことに安全面での不安も根強い。電力各社は安全最優先の意識を改めて徹底し、事故やトラブルの防止に全力をあげてほしい。

 稼働率を優先するあまり、点検や補修の際に慎重さを欠いたり、検査データを改ざんしたりするのは論外である。稼働率を上げるには、原発への社会の理解と信頼が欠かせない。

 だが、そもそも原発の新たな立地が難しいことを考えると、原発にばかり依存していては日本の温暖化対策は進まない。

 社会や産業のグリーン化で温暖化に立ち向かうことを基本にしたい。長い目で見れば、自然エネルギーの拡大やエコカーの普及など、原発に頼らない低炭素化の充実が不可欠だ。