「自衛隊海外派遣はだめ」との主張に先祖帰りした朝日社説

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アラかん2009年7月15日 (水)
朝日新聞社説は「北朝鮮貨物検査特別措置法案の廃案やむなし」だった:国益に反するのに〜09年7月15日朝日新聞読売新聞社
 北朝鮮貨物検査特別措置法案が廃案になり、北朝鮮の船舶の検査が十分にできない事態になることが確定的だそうだ。
読売新聞は09年7月15日の第1社説<問責決議可決/民主党は貨物法案を葬るのか>で民主党を批判していた。読んでみよう。

(読売新聞引用略)
 <審議拒否の理由について、与党は鳩山代表の個人献金偽装問題を国会で追及されたくないからだと批判している。
与党の批判の当否はともかく、民主党はやはり北朝鮮貨物検査法案の今国会での成立に協力すべきであろう。>
 という至極最もな主張だった。

朝日新聞は「廃案やむなし」論
 驚いたのは朝日新聞の社説が民主党の肩を持って「廃案やむなし」と結論付けていたことだった。
見出しは<国会空転/解散予告の余計な空白>だ。
 読んでみよう。

(朝日社説引用略)
 まだるっこしい前文である。

 <野党の審議拒否で、北朝鮮制裁のために検討されてきた貨物検査特別措置法案は、解散とともに廃案になる。
首相は安全保障にかかわる重大な法案なのにその審議を投げ出すとは「考えられない」と、民主党など野党への非難のトーンを上げている。
だが、これは言いがかりに近い。
首相自身が都議選直後の衆院解散を思い描いていたからだ。
それが実現していれば特措法案がただちに廃案になることは承知していたはずだ。>

 麻生首相だって廃案を覚悟していたのだろう、だから民主党だけを責めるのはおかしい、という理屈だ。
隣の男だって立小便をしただろう、その隣の男が道に犬の糞をさせたことだけを責めるのはおかしい、責めるな、と言うのに等しい。
どっちも責められるべきだが、麻生首相は現実には都議選直後に衆院解散をしていないのだから、同列に比べること自体おかしい。
政治は結果責任なのだ、ということを朝日新聞論説委員は知らないのだろうか?

 <日本は国連安保理で貨物検査を含む制裁強化を主張した。決議を実行するための法整備は必要だが、今国会で断念することはやむを得まい。
法案は海上検査の主体を海上保安庁とし「特別な事情がある場合」に海上自衛隊が限定的にかかわるとするなど、自衛隊を使うことに慎重な野党側にも配慮した内容になっている。
それでも「特別な事情」とは具体的にどんな場合なのか、自衛隊はどんな活動が許されるのか、国会は関与しなくていいのかなど、多くの疑問点が残っている。
十分な審議もせずに、解散前に駆け込みで処理するより、選挙後の国会で仕切り直しする方がいい。>

 結局、朝日新聞自衛隊海外派遣はだめ、という原点に回帰してしまったのだろうか。

 <廃案になるのはこれだけではない。労働者派遣法改正案や障害者自立支援法改正案、児童ポルノ禁止法改正案など、国民生活にかかわる法案がいくつも消えてしまう。
与野党協議が進んでいたものもあるだけに残念だが、総選挙後の新たな政権のもとで、よりよい内容をめざしたい。>

 朝日新聞論説委員は読売新聞の社説を読んで勉強すべきだと思う。
民主党政権の首相、つまり鳩山由紀夫首相が誕生する可能性が非常に高い中、
今後の国際会議日程を考えれば、民主党首相はこのままでは国際会議で日本としての主張をできなくなるのではないか、と危惧されるのだ。
 その辺、もう少し大局的な視点で社説を書いてほしい、と要望したい。