『鳩山・オバマ―世界のための日米基軸に』たった25分間の顔合わせを恐ろしく褒め上げる朝日社説

http://d.hatena.ne.jp/oguogu/20090925/1253868090
酔っ払いのうわごと2009-09-25
■[朝日新聞][国際]日米会談―針小棒大にもほどがある より

鳩山・オバマ―世界のための日米基軸に
(cache) asahi.com朝日新聞社):社説 2009年9月25日(金)
http://s04.megalodon.jp/2009-0925-1226-14/www.asahi.com/paper/editorial20090925.html
 太平洋をはさんだ二つの民主党政権のトップが、初めて顔を合わせた。片や半世紀余の自民党政権からの、片や8年間のブッシュ政権からの「チェンジ」を掲げて登場した。日米関係も新しいスタートである。<略>
日米間にも懸案はあるし、地球規模の難題も山積みだ。オバマ氏の任期は少なくとも4年。鳩山政権も基盤は安定している。
腰を落ち着けて、一つ一つ取り組もうということだろう。
 この出会いには、歴史的な巡り合わせがあるようだ。オバマ氏が重視する核軍縮・廃絶や温暖化対策、対話による国際協調主義は、どれも鳩山民主党政権の基本路線と響き合う。

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私は、たった25分間の顔合わせに過ぎない物を良くも、ここまで誉め上げられると感心してしまいます。
通訳を入れての25分なのでしょうから実質的には半分の10分あまりでしかありません。
前日のオバマ大統領と胡錦涛国家主席との会談は1時間半だったというのに。
オバマ大統領にとっては、どちらが重要かは明らかではないのでしょうか。
私は、この顔見せは鳩山総理がベネズエラチャペス大統領のような剥き出しの反米主義者であるかどうかを確かめるためくらいの意味しか無いと思っています。

そもそも朝日新聞が書いている『核軍縮・廃絶や温暖化対策』は、オバマ大統領にとって、どれくらいのプライオリティを持った政策なのでしょうか。
私は、アメリカ国内では健康保険改革と経済政策、国外ではアフガニスタン内戦、イランの核、パレスチナ和平など複雑な事情が入り組む中東政策の優先度が際立っていると思っています。
この間も書きましたけれど、オバマ大統領が温暖化対策のプライオリティが高いと思っていたら、国連気候サミットのその日にパレスチナイスラエルとの3者会談の予定を入れるでしょうか。
スピーチには定評のあるオバマ大統領の気候サミットでの演説が凡庸な物だったのは、3者会談で頭が、いっぱいだったからだと思います。

朝日新聞は、『オバマ氏の任期は少なくとも4年。鳩山政権も基盤は安定している』と書いていますけれど、本当でしょうか。
オバマ大統領には中間選挙が1年後にはあります。オバマ大統領の健康保険改革が進まないのは、中間選挙を気にしている民主党の議員が与党でありながら反対しているからです。
中間選挙に影響するのは健康保険改革だけではありません。
来年も続くであろう高失業率とacorn gate事件*1も影響する事は確実です。中間選挙での敗北の如何によっては1期目の任期を2年残しながらレイムダックになってしまうかも知れません。

『鳩山政権も基盤は安定している』のは、衆議院だけです。
インド洋の給油を止める代わりに自衛隊アフガニスタン本国への派遣をアメリカから強硬に求められた時に鳩山総理は断れるのでしょうか。
鳩山総理の対応次第では社民党は何時だって連立を離脱するでしょう。

逆に一方的にアメリカの要求を断れば、どうなるでしょうか。私は、新たなジャパン・バッシングも始まると思います。
シナからのタイヤ輸入に輸入障壁を設けたような事を日本に対しても行う可能性も高いと思います。
そうなれば民主党日米安保を危険に晒していると国民は感じます。民主党に来年の参議院選挙での勝ち目があるのでしょうか。

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 思えば「日米蜜月」を誇った小泉政権時代、単独行動主義に走るブッシュ大統領の求めに応じて、イラクへの自衛隊派遣に踏み切り「日米関係が良いほど、アジア諸国との関係もうまくいく」と対米偏重の姿勢が露骨だった。

 米国が率い、日本がつき従う。そんな構図から、日本も主張し、能動的に動く関係への脱却を、首相は伝えたかったに違いない。
世界益に貢献するための日米同盟という、新しい姿をここから描き出してもらいたい。
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『日米関係が良いほど、アジア諸国との関係もうまくいく』のは事実でしょう。
朝日新聞にとっては違うかも知れませんけれど。朝日新聞しか読んでない人は、小泉政権時代にシナや韓国での反日運動が始まったと思っているかも知れません。
しかし、両国の反日は以前から、ずっと続く物で、朝日新聞を始めとする日本のメディアが隠蔽していただけです。
北朝鮮だって、アメリカとの連携が緊密だったからこそ、小泉政権と妥協しようとしたのだと私は考えます。
小泉政権以降の政権がアメリカ政府との緊密な連携を出来ていないから、北朝鮮は6者協議に乗ってこないのではないのでしょうか。

しかし、3年前に総理大臣を辞め、政界を引退した人物を今なお引き合いに出すのは、それだけ小泉純一郎という人物が朝日新聞のトラウマだとしか思えません。
地球益(昨日の天声人語)』『世界益』という気持ちの悪い言葉も、そのトラウマから発せられたのでしょうか。
温暖化対策でのCO2削減が、それに当たるのであれば日米両国が地球上から消えてしまった方が正しい事になります。
まあ、それが朝日新聞の本音かも知れませんけれど。