朝日社説「小沢代表に説明を求める」:説明したら、それでOK、不正は追求しません。

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独書録:小沢の秘書逮捕についての各紙社説 より
 3月4日の各紙朝刊に小沢の秘書逮捕についての社説が載った。タイトルを並べてみる。

 朝日新聞: 公設秘書逮捕―小沢代表に説明を求める
 毎日新聞: 公設秘書逮捕 小沢氏は責任を明確にせよ
 読売新聞: 「西松」違法献金 小沢代表は説明責任を果たせ
 産経新聞: 西松献金逮捕 小沢氏の責任は明白だ

 産経新聞だけが「小沢氏の責任は明白」と書いている。説明するのは政治家である以上当然の事で、それからどうするのかが重要なのだ。他3紙は追求が甘い。特に朝日新聞は、毎日や読売と同様に「説明を求める」としているが、説明したらそれで良い、という姿勢であると思われる。

 各紙の社説から抜粋し、意見を書く。

 朝日新聞
 ↓ここから
 (略)
 小沢氏以外の政治家側には、規正法違反はなかったのか。特捜部には徹底的に疑惑を追及してもらいたい。
 (略)
 小沢氏の政治資金をめぐっては、2年前、政治団体名義で東京都内や地元岩手県にマンションなどを所有していることが「財テクではないか」と批判を浴びたことがある。

 その時、小沢氏は自ら記者会見して領収書や契約書などを報道機関に公開し、個人の所有ではないと説明した。その後、事務所費疑惑が指摘された自民党議員らも領収書などを公開せざるを得なくなる流れをつくった。

 今回も事実関係を調べ、国民に説明を尽くす。それも一刻も早く。それこそが小沢氏の責任だ。
 ↑ここまで

 驚くことに、朝日が「特捜部には徹底的に疑惑を追及してもらいたい」というのは、突出した額の献金を受取っていた小沢一郎ではなく、「小沢氏以外の政治家」なのだ。常識に反してまで、小沢・民主党を庇いたいのか。

 また、社説にあるようなマンション疑惑に対し、小沢の説明を鵜呑みにし「努力して説明した」と書いたのが朝日新聞である。小沢の説明には契約書偽造といった疑惑もあったのだが一切追求しなかった。マンション疑惑はもはや終ったものとしているがとんでもないことだ。それに対して自民党議員の不祥事については、当事(今も)どんな些細なことでも大事件であるかのように報道していた。自民党の不祥事は許さないが民主党の不正は見逃す。誰が見ても明らかな偏向報道である。

 今回も「国民に説明を尽く」したからそれでお仕舞いにする積りなのだろう、どうせ。朝日新聞は、国民を馬鹿にし見下しているように思える。

 また、この問題に対する小沢の「何も疚しいことがない」というだけで説明しない姿勢や、民主党の「国策捜査だ」と逆に批判する姿勢を見ると、臭いものにフタをしようとしているとしか思えない。民主党が政権を獲ったら、このような腐敗した政治が行われるのだ。自民党政権より事態ははるかに悪化すると確信している。

 毎日新聞 (略)

 読売新聞 (略)
 
 産経新聞
 ↓ここから
 準大手ゼネコン「西松建設」の裏金事件は、小沢一郎民主党代表の公設第1秘書らが政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されるという衝撃的な事件に発展した。小沢氏自身の政治責任はきわめて重いと言わざるを得ない。自ら出処進退を明らかにすべきだろう。政権交代を目指す政党の責任者として、政治とカネの問題で国民の信頼を失いつつあることを重く受けとめるべきだ。

逮捕された大久保隆規容疑者は、西松建設側から不正な政治献金を受けたとされる政治資金管理団体陸山会」の会計責任者を務めている。また公設第1秘書は側近中の側近でもある。
 (略)
 西松建設の手口は巧妙だ。同建設のOBが代表を務める政治団体が、政治家の資金管理団体献金するというやり方をとっていた。政治資金規正法は、企業献金先を政党と政党の資金を管理する政治資金団体に限っており、他人名義や匿名での寄付も禁じている。

 不正な政治献金の舞台とされた「陸山会」は一時期、東京都内などに計13件、総額10億円を超す不動産を購入していた。政治資金規正法に触れないものの、不適切ではないかと問題視されていた。

 自民党などは政治団体の不動産所有は政治資金による資産形成にあたると指摘していた。こうした問題も徹底解明を期待したい。
 (略)
 とくに小沢氏は最近、北朝鮮による拉致事件に対し、金銭的な解決しかないとの趣旨の発言を行ったとされる。政治家の資質を疑いたくなる発言といえる。
 (略)
 ↑ここまで

 「自ら出処進退を明らかにすべきだ」と書くのは産経新聞だけ。西松建設の悪質な手口にもふれている。

 また、「陸山会」による「総額10億円を超す不動産を購入していた」という問題も、あわせて徹底解明せよというのも産経新聞だけだ。朝日新聞が「説明したから構わない」というのと正反対だ。どちらが国民感情に合致するかは明らかだろう。

 更に、産経新聞は小沢の「拉致問題は金で解決するしかない」という不埒な発言を紹介し、政治家の資質を問うている。この発言は最近まで封じ込まれていたという。朝日はまだ報道していないのでは?

 「拉致問題は金で解決するしかない」というのは、身代金を払って拉致被害者を数人帰してもらって、それでお仕舞いにするということだ。北朝鮮の責任は問われない。更にいうと、これは北朝鮮と国交正常化して日本が多額の「賠償金」を支払って、それから拉致被害者を救済する(出来るのか?)という考えに通じる。結局、北朝鮮独裁政権の延命に手を貸すことになるのだ。このような危険な考えを持つ者が日本の首相になるなど考えるだけで空恐ろしい。