『自民党へ―堂々たる勝負を見たい』:どうしても鳩山」民主党の人気が高い内に選挙をやりたい朝日社説

http://d.hatena.ne.jp/oguogu/20090620/1245483754
酔っ払いのうわごと2009-06-20 3qt1pt2gill
■[朝日新聞][政治]どうせ選挙は、もうすぐなのに

自民党へ―堂々たる勝負を見たい
(cache) asahi.com朝日新聞社):社説 2009年6月20日(土)
http://s03.megalodon.jp/2009-0620-1159-58/www.asahi.com/paper/editorial20090620.htm
(朝日社説引用略)
『選挙をこれ以上、先に延ばす理由はない。』
『「王道」で勝負することだ。』
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民主党の人気が落ち込んでいた時には控えていた、「早く解散しろ」社説ですけれど、どうやら復活してしまったようです。朝日新聞は、どうしても鳩山民主党の人気が高い内に選挙をやって貰って政権交代を成し遂げたくて仕方が無いのでしょうね。中身の無い社説を読むのは苦痛なのですけれど。

この社説にも朝日新聞論説委員の思い込みと風説の流布に近い言葉ばかりが並べられています。『政府与党が今国会の重要法案と位置づけた法案』は決着したかも知れませんけれど、国民から重要だと思われる法案は、まだ残っています。私は、廃案にして仕切り直しにした方が良いと思いますけれど、臓器移植法の改正案の審議はしなくて良いのでしょうか。衆議院では8時間しか審議されなかった法案なのですから、参議院で十分な審議をやり直す事に意味が無いとは思えません。選挙を直ぐにやらない十分な理由だと思います。

自民党がどの「顔」で選挙に臨むのか』が解らなくなってしまったと云うのも論説委員の思い込みでしょう。総裁選の前倒しだの信任投票だと騒いでいるのは、選挙に自信の無い若手ばかりです。派閥の幹部クラスは、揃って麻生総理を支えていくと言っているではないですか。騒いでいる議員は、少しでもメディアに取り上げられれば選挙で有利だと考えているのに過ぎないのです。それをメディアが面白がって取り上げたりするから勘違いしてしまったのでしょう。メディアからすれば、取り上げる事で自民党の足元が揺らぎ、政権交代が起こり易くなると言う思惑なのでしょうけれど。

大体に於いて、『「王道」で勝負する』の王道とは何なのでしょうか。私は、任期満了選挙だと思います。幾ら解散による選挙が多くても、憲法には衆議院議員の任期は4年と定められているのですから。

任期は、満了する方が正常で、解散はイレギュラーなのです。それでは、どうして、これまでの総理大臣は任期満了では無く、解散を選択してきたのでしょうか。それは自民党に有利な時期を選んで選挙が出来るからです。中曽根元総理の「死んだふり解散」が良い例でしょう。

それにしても、西松事件の公判があった次の日に、この社説を書いたのは偶然なのでしょうか。西松事件に関する社説では、このような主張が成されています。。
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西松事件裁判―「天の声」はここだけか
(cache) asahi.com朝日新聞社):社説 2009年6月20日(土)
 この事件では、総選挙前という時期に大久保秘書を逮捕、起訴したことが、政局に重大な影響を与えた。
 同じような手法による献金を受けた自民党議員側は摘発されていない。民主党だけでなく国民の間からも「不公正ではないか」との批判が絶えない。東北以外の地域でも政治家との癒着があったのでは、という疑念も募る。
 こんな批判や疑念に答えるためにも検察は小沢氏以外の政治家側への捜査を急ぎ、結論を出してほしい。
 とくに二階経産相をめぐっては、二階氏が代表を務める政党支部に対し、西松建設が社員の個人献金を偽装していた疑惑があり、市民団体が、二階氏側の団体などを政治資金規正法違反で東京地検に告発している。
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朝日新聞は、実に社説の半分近くを使って事件を相対化しようとしているのです。二階経産相への捜査については『検察は小沢氏以外の政治家側への捜査を急ぎ、結論を出してほしい』の一行で十分だと思います。小沢氏には、『小沢氏自身の説明責任も消えない』としか言及していないのですから。

この社説は、西松事件の社説なのですから、もっと後半内容について語るべきではないのでしょうか。そうしないと、小沢氏が何に対して説明責任を負っているかが読者には不明確です。

私は、朝日新聞が選挙前に小沢氏秘書(大久保氏)の公判が始まってしまう事を恐れている気がしてなりません。そうなれば「天の声」が有ったのか無かったのかが裁判の焦点になるに違いないからです。そうなれば事件は、政治資金規正法の問題では無く、贈収賄事件に発展してしまうかも知れないのです。

当初、大久保秘書の公判は選挙が終わってからと言われていました(言っていたのは、マス・メディアですけれど)。しかし、それは麻生総理が早期解散をするという前提ではなかったのでしょうか。大久保秘書逮捕によって支持率が上がった事を受けてです。支持率が上がれば、麻生総理が解散を決断すると云う思惑もあったと思います。

しかし、7月になれば逮捕から3ヶ月、8月なら4ヶ月も経ちます。容疑を掛けて於いて、それほど長期間裁判をしないのは、かえって人権侵害になるのではないのでしょうか。検察が、公判を決断しても不思議ではありません。

日本郵政障碍者郵便悪用事件には、今のところ名前はメディアに登場しませんけれど、民主党の石井一議員と牧義夫議員の関与が疑われてもいます。この事件も発展のしようによっては、民主党に大ダメージを与えかねない事件です。

朝日新聞が早期解散を望むのは、時間が民主党に有利では無いと見ているからでもあると思います。選挙広告を早く手に入れたいというのもあるのでしょうけれど。逆に麻生総理には、早く解散すべき理由が見当たりません。何を言われても任期満了まで待つ事が出来るのです。

選挙の結果、民主党政権になるとしても、次の国政選挙である来年の参議院選挙までの間隔を出来るだけ縮めるためにも、衆議院選挙は後になればなるほど良いと私は考えます。

少し話は違いますけれど、私には「追い込まれ解散」などの「追い込まれる」と云う言葉も、よく解りません。これまで任期満了選挙、間際で解散した選挙は、自民党が負けているから「追い込まれる」のは良くないとメディアは言います。しかし、そこまで解散する必要が無かったのは、その前の選挙で大勝しているからです。大勝の後の選挙ですから、前に比べて当選者が減るのは止むを得ません。スキャンダルなどで解散せざるを得なくなる事もあるのですから、「追い込まれる」と云うより「逃げ切る」と云う言葉の方が相応しいのではないのでしょうか。

社説全文は以下
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西松事件裁判―「天の声」はここだけか

 小沢一郎・前民主党代表事務所の「天の声」を得るために、西松建設は社名を隠して小沢氏側の政治団体に多額の献金をし、東北で約122億円分の公共工事を落札した。

 検察側は、公共事業の受注をめぐる小沢事務所と建設業者との癒着の構図をこう描いて見せた。西松建設がダミー団体を作って偽装献金したとされる事件の初公判で、被告の西松建設前社長らは起訴事実を争わず、裁判は1日で結審した。

 法廷では、2億円を超える西松側からの偽装献金が小沢事務所からの要請もあって続けられた経過が、検察側から明らかにされた。小沢氏の大久保隆規秘書が、「西松からの献金と知っていた」とする供述調書も採用された。

 検察側の論告は「建設業者と特定政治家側との金銭的癒着を国民の目から覆い隠したもので、政治資金の透明性を確保し、政治腐敗を防止するという規正法の目的を踏みにじる極めて悪質な犯行だ」と断じた。

 「形式犯」でなぜ党首の秘書を逮捕したのか、という捜査批判に対する検察側の回答ということだろう。

 その大久保秘書は、西松建設から計3500万円の偽装献金を受け取り、収支報告書にうそを書いたとして起訴されている。公判は分離され、日程は決まっていない。

 秘書の弁護人は「ゼネコン関係者の一方的な供述に基づくもので、裏付ける証拠もない」とする所感を発表し、真っ向から争う姿勢だ。献金の違法性をめぐる判断や事件の背景の認識について、裁判所の見解を早く聞きたいと思う人は少なくあるまい。

 小沢氏自身の説明責任も消えない。

 この事件では、総選挙前という時期に大久保秘書を逮捕、起訴したことが、政局に重大な影響を与えた。

 同じような手法による献金を受けた自民党議員側は摘発されていない。民主党だけでなく国民の間からも「不公正ではないか」との批判が絶えない。東北以外の地域でも政治家との癒着があったのでは、という疑念も募る。

 こんな批判や疑念に答えるためにも検察は小沢氏以外の政治家側への捜査を急ぎ、結論を出してほしい。

 とくに二階経産相をめぐっては、二階氏が代表を務める政党支部に対し、西松建設が社員の個人献金を偽装していた疑惑があり、市民団体が、二階氏側の団体などを政治資金規正法違反で東京地検に告発している。

 検察審査会法が改正され、検察が不起訴処分を決めても、検察審査会が2度「起訴相当」と結論を出せば、自動的に起訴される仕組みに変わった。

 検察は白黒を示さなければならない。起訴に至らないなら、それはなぜか。何らかの形で国民への説明責任を果たすことも求められよう。

自民党へ―堂々たる勝負を見たい

 海賊対処法案など三つの法案が、衆院の3分の2の再可決で成立した。政府与党が今国会の重要法案と位置づけた法案はこれですべて決着した。

 麻生首相は昨秋の就任以来、衆院の解散・総選挙に意欲を見せつつも、景気や雇用対策を最優先するとして先送りしてきた。景気対策もこれで一段落だろう。政府は景気底打ちを宣言した。そうであれば、選挙をこれ以上、先に延ばす理由はない。

 いよいよ決戦の時期を迎えたということなのだろう。自民党内では総選挙をめぐってさまざまなうごめきが表面化してきた。

 「麻生首相で総選挙は戦えない」「解散より先に党総裁選をやるべきだ」「いや、首相の信任投票をやってはどうか」「内閣改造で政権浮揚を」

 そんな悲鳴とも提案ともつかない話がかまびすしい。

 小沢民主党前代表の秘書逮捕という「敵失」で一息ついたかに見えた麻生政権だが、民主党が鳩山新体制を整えるや、その勢いはすっかり失われてしまったかのようだ。

 このままでは政権のいすから滑り落ちてしまう、という危機感が、あの手この手のアイデアを生みだしているのに違いない。

 だが、衆院議員の任期切れまであと80日余。どんなに引き延ばそうと、解散・総選挙はもう目前だ。自民党にも計算はあろうが、もはや有権者には「小手先の策」としか受け取られないのではないか。

 本気で有権者の支持を引き戻そうというのなら、本格的な政策論をはじめ、政権担当の経験や知恵、安定性といった「王道」で勝負することだ。

 驚くべきは、自民党がどの「顔」で選挙に臨むのか、この期に及んで方針がはっきりしなくなってしまったことだ。これでは有権者は選択のしようがないし、選挙で掲げる政策の基本的な方向性も定まるまい。

 ライバル民主党を攻撃する決まり文句は「政権担当能力がない」という批判だろう。確かにこの半世紀、自民党を中心とする政権がほぼ一貫して日本の政治の責任を担ってきた。

 だが今、その自民党政権担当能力に世論の厳しい目が向けられている。

 麻生政権が全力を注いできた景気対策に対してさえ、朝日新聞世論調査で62%の人が「評価しない」と答えた。厚生労働省の分割問題、日本郵政の社長人事など、首相の指導力に疑いを抱かせる迷走が続いた。

 自民党自身に「政権党たりうるのか」という疑問が突きつけられている。いたずらに選挙を先延ばししたり、目先を変えてみたりしたところで、有権者の心に響くとは思えない。腹を固めて、堂々と勝負すべきだ。残された時間はほとんどないのだから。