『アフガン支援―できることを大胆に』:「金だけを出す小切手外交」の批判を理由は全く説明せずに否定する低脳朝日社説

http://d.hatena.ne.jp/oguogu/20091113/1258102354
酔っ払いのうわごと 2009-11-13 1gal3qt3gill1fl oz■
[朝日新聞][国際]アフガン支援―何処が「理にかなっている」だか

アフガン支援―できることを大胆に
(cache) asahi.com朝日新聞社):社説 2009年11月13日(金)
http://s01.megalodon.jp/2009-1113-1140-21/www.asahi.com/paper/editorial20091113.html
 現状では、日本が本格的に「人」を送り込む支援は難しい。
だが、そんななかでも、民生面での支援に思い切った資金を提供するという●政府の判断は、理にかなっている。
 自公政権時代、政府はインド洋に海上自衛隊を派遣し、多国籍軍の艦艇に給油を続けてきた。
鳩山政権は来年1月に打ち切る方針だ。選挙前の主張にそったもので、●最近減っている給油需要を考えても納得できる措置だ。
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インド洋給油を止めて小切手外交を選択するのを『理にかなっている』と考える人は、どれだけいるのでしょうか。
私には、飛んでもない無駄遣いにしか思えません。無駄を省くのが民主党政権の方針だというのが聞いて呆れます。
特に、昨日の日本経済新聞の、この社説を読んだ後では。

社説2 やはり「小切手外交」の愚(11/12)
NIKKEI NET(日経ネット):社説
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20091111AS1K1100111112009.html
 行政刷新会議事業仕分け人たちに任せたら、どう裁くだろう。
 これまでの事業は費用が年間100億円以下だが、国際的な評価も得ている。
これに替わって始める事業には年間900億円を注ぐ。使い切れるかわからないから、とにかくばらまかねばならない――。
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日本経済新聞は、費用を100億円としていますから同じ桁数で済んでいますけれど、実際にインド洋給油に掛かる費用は70億円という話を目にした事がありますから、それだと10倍以上です。
しかも、この900億円はアフガニスタン向けだけで、パキスタンへの年間360億円(総額1800億円=20億ドル)を含んでいない数字でしかありません。両方を合わせると年間1260億円という金額になってしまうのです。
国債の発行額が50兆円を越えようかという話があるにも関わらず、どうして、これほどまでの拠出をしなければならないのでしょうか。

『軍事面での役割に限界のある日本』だからこそ、インド洋給油という方法で「テロとの戦い」に協力してきたのが、これまでの自民党政府です。
それなのに打ち切る理由を『最近減っている給油需要』というだけで片付けて良いのでしょうか。
朝日新聞と鳩山政権は、年間1260億円もの資金を使う必要性を示せていません。

しかも、朝日新聞は、自ら、このような事を同じ社説の中で書いています。

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 ただ、50億ドルという支援規模は、具体策を積み上げた結果ではない。
オバマ大統領の訪日を控え、給油をやめることに理解を得るための、まず総額ありきの決定だったのも否めない。
カルザイ政権の汚職・腐敗体質の中で日本の資金が消えてしまわないよう、政府は綿密な支援計画をたて、実施面でも厳しく目を光らせる責任がある。
これだけの税金をつぎ込むのだ。
その意義を日本の納税者に説明するとともに、国際社会に向けて日本の貢献策を積極的に発信してもらいたい。
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アフガニスタンは、インド洋給油を止めて資金援助に切り換える事に肯定的な朝日新聞でさえ心配するほど酷い『汚職・腐敗体質』なのです。
間違いなく『日本の資金』は闇に消えます。
『給油をやめることに理解を得るため』だけの決定のために。

それから、『綿密な支援計画をたて』たり、厳しく目を光らせる』のはだれなのでしょうか。
アフガニスタンの治安を考えれば、派遣できる日本人は限られています。
派遣できる地域もですけれど。そうなると、この日本経済新聞の心配の通りの事が起きる可能性が高いと思います。

================================<<日本経済新聞>>
 日本は02年に20億ドルの支援を約束した。治安が悪いなかを援助関係者が駆け回って調整を進め、8年間に約18億ドルを消化した。
これに比べ、5年間50億ドルは、援助関係者によれば「途方もない数字」である。
  治安の悪さを考えれば、消化できない可能性もある。
その場合には、国連機関や非政府組織(NGO)にカネを渡して使ってもらう「丸投げ援助」になる。
アフガニスタン情勢の改善につながるのであれば、意味がないわけではないが、日本の納税者はどう思うだろう。
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これが小切手外交で無くて、何なのでしょうか。そして忘れてはならない事があります。
それは小切手外交には、日本の顔は見えないという事です。
これまでイラク戦争アフガニスタンでの「テロとの戦い」では、曲がりなりにも日本の顔は見えていました。
それが無くなる意味を考えておかなければなりません。

私は、日本が「テロとの戦い」から離脱する事で二つの心配があります。
一つは、パキスタンです。日本が抜けたら、「テロとの戦い」への参加国はパキスタン以外はキリスト教国だけになってしまいます。
それをパキスタン国民は、どう思うでしょうか。
パキスタンも「テロとの戦い」から脱落すると、本当にキリスト教イスラム教の宗教戦争になってしまいます。
その原因を日本に押し付けられては堪りません。

私が、もう一つ心配しているのは、アメリカの今後の日本への対応です。
今は、アフガニスタンへ50億ドル、パキスタンへ20億ドルの拠出で満足しているように言っていますけれど、それが何時まで続くでしょうか。
私は、財政赤字を考えたら、アメリカ政府がアメリカ軍の戦費を日本に肩代わりしろと言って来ても驚きません。
勿論、経済問題を絡めてです。鳩山政権は、それを断れるでしょうか。
子ども手当」の財源にするはずだった物をアメリカに掠め取られる事だって有り得ると私は思っています。

社説全文は以下
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アフガン支援―できることを大胆に

 鳩山政権がアフガニスタンに対する新たな支援策を発表した。

 反政府武装勢力タリバーンの元兵士に対する職業訓練や警察支援など、今後5年間で最大50億ドル(約4500億円)を拠出する。

 アフガンの治安は悪化するばかりだ。米国は軍の増派を検討しているものの、軍事力だけで事態を好転させるのは難しい。だから、オバマ政権も欧州諸国も国の再建につながる日本の民生支援への期待を高めている。

 現状では、日本が本格的に「人」を送り込む支援は難しい。だが、そんななかでも、民生面での支援に思い切った資金を提供するという政府の判断は、理にかなっている。

 自公政権時代、政府はインド洋に海上自衛隊を派遣し、多国籍軍の艦艇に給油を続けてきた。鳩山政権は来年1月に打ち切る方針だ。選挙前の主張にそったもので、最近減っている給油需要を考えても納得できる措置だ。

 この判断を「小切手外交」と批判する議論がある。インド洋での給油活動は「テロとの戦い」への貢献だ。米国からも評価されてきた。その自衛隊を退かせ、資金提供だけで国際社会への貢献を果たしたつもりになるのはおかしいという理屈だ。巨額の資金援助をしながら国際的には評価されなかった18年前の湾岸戦争の時のトラウマが背景にあるのだろうか。

 だが、批判は的外れだ。アフガン安定のために日本ができること、すべきことを、外圧によるのでなく、日本自らが冷静に考えるべきだ。それは、軍事面での役割に限界のある日本として、民生面でできる限りの支援を送ることなのではないのか。

 日本のアフガン民生支援には、誇るべき実績がある。ソ連軍の侵攻前にも主要都市での給水や稲作指導にあたってきた。当時の経験は今の国際協力機構(JICA)などのプロジェクトに受け継がれている。

 日本が長期的視点でアフガンの国造りを支えることは、結果としてテロリストの温床を断つことにつながる。兵員を派遣している米国などの努力を側面から支えることにもなる。米大統領報道官がさっそく歓迎する声明を出したのも、そうした文脈からだろう。

 ただ、50億ドルという支援規模は、具体策を積み上げた結果ではない。オバマ大統領の訪日を控え、給油をやめることに理解を得るための、まず総額ありきの決定だったのも否めない。

 カルザイ政権の汚職・腐敗体質の中で日本の資金が消えてしまわないよう、政府は綿密な支援計画をたて、実施面でも厳しく目を光らせる責任がある。これだけの税金をつぎ込むのだ。その意義を日本の納税者に説明するとともに、国際社会に向けて日本の貢献策を積極的に発信してもらいたい。
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社説2 やはり「小切手外交」の愚(11/12)
 行政刷新会議事業仕分け人たちに任せたら、どう裁くだろう。

 これまでの事業は費用が年間100億円以下だが、国際的な評価も得ている。これに替わって始める事業には年間900億円を注ぐ。
使い切れるかわからないから、とにかくばらまかねばならない――。

 政府は新たなアフガニスタン支援策として、2009年から約5年間で最大50億ドルを拠出する。反政府武装勢力タリバンの元兵士への職業訓練実施やインフラ整備など民生分野が中心となる。鳩山由紀夫首相がオバマ米大統領に伝える。

 岡田克也外相がインド洋での海上自衛隊による給油中断を表明した際、私たちは「やはり『小切手外交』を繰り返すのか」と疑問を投げた。給油中止の事実上の代替措置となる民生支援は、小切手外交そのものである。日本は再び「汗をかくかわりにカネを配る国」になるのか。

 日本は02年に20億ドルの支援を約束した。治安が悪いなかを援助関係者が駆け回って調整を進め、8年間に約18億ドルを消化した。これに比べ、5年間50億ドルは、援助関係者によれば「途方もない数字」である。

 治安の悪さを考えれば、消化できない可能性もある。その場合には、国連機関や非政府組織(NGO)にカネを渡して使ってもらう「丸投げ援助」になる。アフガニスタン情勢の改善につながるのであれば、意味がないわけではないが、日本の納税者はどう思うだろう。

 行政刷新会議が予算圧縮を議論している時である。1年10億ドル(約900億円)は小さな額ではない。決定過程を見ると、事業内容を固めて数字が積み上がったのではなく、初めに数字ありきにみえる。

 一方の給油は100億円もかからない。野党時代の民主党は、この活動を「憲法違反」と断じたが、マニフェスト政権公約)では触れず、活動はいまも続く。鳩山首相らは「単純延長はしない」と含みを残すが、具体論には踏み込まない。

 50億ドルの民生支援は、きちんと使われれば意味があるが、それに比べ給油は費用対効果の点ではるかに意味があるだけでなく、欧米諸国からも感謝されている。給油継続に向けた具体的議論を急ぐ必要がある。